「FIREするには、いくら必要なの?」
FIREを考え始めると、多くの人が最初に気になる疑問ではないでしょうか。
5,000万円あればFIREできるのか。
1億円必要なのか。
それとも、2億円くらいないと安心できないのか。
結論から言えば、FIREに必要な資産額は、人によって大きく異なります。
その理由はシンプルです。
必要資産は、
「どれくらいのお金を毎年使うのか」
によって大きく変わるからです。
年間300万円で暮らせる人と、年間600万円必要な人では、同じFIREでも必要な資産はまったく違います。
私自身、現在は世帯資産5,000万円を超え、50歳で1億5,000万円程度の資産を作ることを一つの目標にしています。
なぜ1億5,000万円なのか。
それは、年間600万円程度で余裕を持って暮らしたいと考えているからです。
この記事では、FIREに必要な資産を生活費から逆算しながら、私自身のFIRE計画についても紹介します。
FIREに必要な資産は「生活費」から逆算する
FIREを考えるとき、「1億円あれば安心」「2億円あれば十分」といった資産額から考える方法もあります。
しかし、本来は逆です。
まず考えるべきなのは、
「FIREした後、年間いくら必要なのか?」
ということです。
例えば、
- 年間生活費300万円
- 年間生活費400万円
- 年間生活費500万円
- 年間生活費600万円
では、必要な資産額が変わります。
つまり、
必要資産 = 年間生活費 ÷ 取り崩し率
という考え方が基本になります。
4%ルールなら、年間300万円で7,500万円
FIREについて調べていると、「4%ルール」という言葉を目にすることがあると思います。
これは、退職時の資産から初年度に一定割合を取り崩し、その後もインフレなどを考慮しながら生活費として使っていくという考え方です。
4%で単純計算すると、
年間生活費300万円 ÷ 4% = 7,500万円
となります。
同じように計算すると、
| 年間生活費 | 4%で必要な資産 |
|---|---|
| 300万円 | 7,500万円 |
| 400万円 | 1億円 |
| 500万円 | 1億2,500万円 |
| 600万円 | 1億5,000万円 |
となります。
つまり、年間600万円使いたい人にとって、
1億5,000万円という資産額は、4%ルールから逆算するとちょうど一致します。
これが、私が50歳で1億5,000万円という目標を考えている理由の一つです。
ただし、ここで注意したいことがあります。
「4%なら安全」という意味ではない
4%ルールは、FIREを考えるうえで非常に有名な考え方ですが、
「資産の4%を毎年使えば絶対に資産がなくならない」
というルールではありません。
4%という数字は、米国の過去の市場データなどをもとに研究された経験則です。
その代表的な研究であるBill Bengen氏の1994年の分析では、過去の市場データを使って、30年間資産を持続させる初期引き出し率として4%台が検討されました。

一方、現在の市場環境を踏まえたMorningstarの2024年の研究では、30年間、一定の実質支出を続け、90%の成功確率を目指すという前提で、保守的なベースケースの開始引き出し率を3.7%としています。また、40年間の期間では3.1%という試算も示されています。
つまり、
4%は「FIREを考えるための一つの目安」であって、安全が保証された数字ではありません。
特に40代、50代でFIREする場合、一般的な「30年間の老後」より長い期間を資産で支える可能性があります。
そのため、私は4%だけでなく、もう少し低い取り崩し率でも考えてみることが大切だと思っています。
3%・3.5%・4%で必要資産を比べる
そこで、年間生活費別に、
4%
3.5%
3%
の3パターンで比較してみます。
| 年間生活費 | 4% | 3.5% | 3% |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 7,500万円 | 約8,570万円 | 1億円 |
| 400万円 | 1億円 | 約1億1,430万円 | 約1億3,330万円 |
| 500万円 | 1億2,500万円 | 約1億4,290万円 | 約1億6,670万円 |
| 600万円 | 1億5,000万円 | 約1億7,140万円 | 2億円 |
この表を見ると、かなり大きな違いがあることが分かります。
年間600万円で暮らしたい場合、
4%なら1億5,000万円。
3.5%なら約1億7,100万円。
3%なら2億円。
同じ「年間600万円の生活」でも、採用する取り崩し率によって必要資産は5,000万円も変わります。
だからこそ、
**「FIREに1億円必要」
「FIREには2億円必要」**
と一律に決めることには、あまり意味がありません。
株パパの場合は「1億5,000万円」を目標にしている
では、私の場合はどうなのか。
現在41歳。
世帯資産は5,000万円を超えています。
そして50歳までの9年間で、
1億5,000万円
を一つの目標にしています。
なぜ1億5,000万円なのか。
一番大きな理由は、
年間600万円程度で、余裕を持って生活したい
と考えているからです。
1億5,000万円の4%は、
600万円
です。
もちろん、「4%で取り崩せば必ず大丈夫」と考えているわけではありません。
むしろ、40代からの早期リタイアを考えるなら、もっと慎重に考える必要があると思っています。
それでも、私にとって1億5,000万円は、
「このくらいあれば、かなり自由度の高い生活を選べそう」
と考えられる、一つの基準になっています。
年間600万円なら、どんな生活をするのか?
年間600万円と聞くと、それなりに大きな金額に感じるかもしれません。
ただ、私がFIRE後にしたい生活は、ものすごくお金がかかるものではありません。
庭の手入れ。
自炊。
DIY。
ロードバイク。
図書館でのんびり過ごす。
妻との日本一周旅行。
軽バンで下道を走りながらキャンプする。
こうした生活を楽しみたいと思っています。
もちろん、旅行などにはお金がかかります。
でも、毎日高級レストランで食事をしたり、頻繁に高額な買い物をしたりする生活をしたいわけではありません。
むしろ、これまで生活費を最適化してきた経験から、
お金をあまり使わなくても楽しめる生活
が自分には合っていると感じています。
これはFIREを目指すうえで、かなり大きな強みだと思っています。
FIREに必要な資産は「生活費を下げる」だけでも変わる
例えば年間生活費600万円を必要とする人が、生活を見直して500万円で満足できるようになったとします。
4%で考えると、
600万円 → 1億5,000万円
だった必要資産が、
500万円 → 1億2,500万円
になります。
年間100万円の生活費の違いで、必要資産は2,500万円変わります。
もちろん、これは「節約すればするほどいい」という話ではありません。
大切なのは、
自分にとって本当に必要な生活費はいくらなのか
を知ることです。
私は10年以上家計簿を続けてきました。
その結果、自分たちが何にお金を使い、何にはあまり価値を感じないのかが、少しずつ分かるようになりました。
だからこそ、FIREを考えるときにも「平均的な4人家族なら年間○万円」といった数字ではなく、自分の家計から必要資産を考えるようにしています。
金融庁も資産形成を考える際、まず収入と支出を把握し、ライフプランに合わせて家計を管理することを基本として紹介しています。
さらに大切なのが「FIRE後の収入」
FIREというと、資産だけで生活するイメージがあります。
しかし、私は完全に無収入になることを想定していません。
FIRE後には、
- 配当収入
- ブログ収入
- 興味のあるアルバイト
- ボランティアで得られる寸志
など、多少の収入があると考えています。
もちろん、ブログがどのくらい収益化できるかは分かりません。
今はその可能性を作るために、こうしてブログを育てているところです。
そして、「働きたくないから絶対に働かない」という考えでもありません。
面白そうな仕事があれば、短時間だけ働いてみたい。
そんな気持ちもあります。
例えば年間100万円の収入があれば、年間600万円の生活費すべてを資産から取り崩す必要はありません。
必要なのは、
600万円 − 100万円 = 500万円
です。
資産からの取り崩し額が減れば、資産への負担も軽くなります。
年金も「FIREに必要な資産」を考える重要な要素
私の場合、60歳以降は年金収入も想定しています。
現在の計画では、年間300万円程度の年金を一つの前提として考えています。
仮に年間生活費が600万円であれば、年金で300万円をまかなえるなら、残り300万円を資産やその他の収入から補うという考え方になります。
このように考えると、
FIREした瞬間から死ぬまで、資産だけで全生活費を賄う
必要はありません。
ただし、公的年金の受給額や制度は個人差があり、将来の制度変更もあり得ます。
そのため、私は年金を「確実に300万円もらえる」と決めつけるのではなく、FIRE計画を考えるうえでの現在の試算として扱っています。
「1億5,000万円あれば完全FIRE」ではない
ここまで読むと、
「じゃあ1億5,000万円あればFIREできるの?」
と思うかもしれません。
私自身は、そんなに単純には考えていません。
なぜなら、50歳からFIREするなら、その後の期間が非常に長いからです。
市場が好調なときもあれば、暴落することもあります。
特に怖いのは、FIRE直後に大きな下落が起きることです。
例えば1億5,000万円が一時的に30%下落すれば、
1億500万円
になります。
そこで年間600万円の生活費を取り崩し続けると、資産の減少がさらに大きくなる可能性があります。
だからこそ、FIRE時には、
- 現金をどの程度持つか
- 株式と債券などをどう組み合わせるか
- 相場下落時に支出をどうするか
- 副収入をどれくらい確保するか
- 年金をどう組み込むか
まで考える必要があります。
FIRE後は「毎年4%売る」という単純な話ではない
私はFIRE後の資産運用を、
毎年決まった金額を機械的に売却する
とは考えていません。
相場が好調なら予定通り使う。
大きく下落した年には、旅行や大きな買い物を少し控える。
ブログ収入やアルバイト収入が多い年は、資産からの取り崩しを減らす。
逆に相場が好調なら、少し余裕を持って使う。
こうした柔軟な取り崩しも重要だと思っています。
Morningstarの研究でも、毎年インフレ調整後の支出額を固定する方法だけでなく、ポートフォリオの状況に応じて支出を調整する柔軟な方法を使えば、より高い開始引き出し率が可能になるケースが示されています。
FIREだからといって、
「資産から毎年○%を必ず使う」
と固定する必要はありません。
FIREには「完全FIRE」と「Coast FIRE」の間がある
私が最近面白いと思っているのが、Coast FIREという考え方です。
例えば、
「50歳で完全に仕事を辞める」
だけがゴールではありません。
資産がある程度育って、
「今後、それほど無理して投資し続けなくても老後資金が確保できそう」
となったら、働き方を変える。
フルタイム勤務から週4日勤務。
週4日から週3日。
会社員から興味のある仕事へ。
そんな選択肢もあります。
これは私が最近、「将来のために今を犠牲にしすぎない」ことを意識するようになった理由の一つでもあります。
子どもが小さい時間は、後から買い戻せません。
今しかできない旅行。
今しかできない遊び。
今しか作れない家族の思い出。
そうしたものにお金を使うことも、人生にとって大切な投資だと思っています。
40代からFIREするなら「資産額」より3つの数字を見る
私自身、FIREを考えるようになってから、資産額だけを見ることは減りました。
見るべきなのは、
①年間生活費
自分はいくらあれば満足して暮らせるのか。
②運用資産
現在どのくらいの資産があり、どのくらいを運用に回しているのか。
③FIRE後の収入
年金、配当、副業、アルバイトなど、資産以外にどのくらいの収入があるのか。
この3つを組み合わせると、
「自分はいつ頃、どの程度働けばいいのか」
が見えてきます。
株パパの場合、50歳まであと9年
現在41歳なので、50歳まであと9年です。
現在の世帯資産は5,000万円超。
過去10年間の資産運用では、平均年利が約8.5%。
年間の積立額は約180万円。
さらにDCやCBの退職金も考慮して、現在の条件でシミュレーションすると、50歳頃に約1億5,000万円という数字が見えてきます。
もちろん、8.5%の運用が今後9年間続く保証はありません。
だから私は、
「50歳で必ず1億5,000万円になる」
とは思っていません。
むしろ、
「今の資産状況なら、50歳でFIREを検討できる可能性がかなり高まってきた」
という感覚です。
資産が1億5,000万円に届かなければ失敗、ということでもありません。
1億2,000万円なら?
1億円なら?
8,000万円なら?
その金額に応じて、働く期間や勤務日数を調整すればいい。
このように考えると、FIREは「50歳で1億5,000万円」という一点突破の目標ではなくなります。
FIREは「何億円必要か」という競争ではない
若い頃の私は、
60歳で30億円の資産家になる
という目標をノートに書いていました。
今考えると、かなり大きな目標です。
そして現在は、
「そこまで必要なのかな」
と思っています。
お金がありすぎても、相続の問題など、別の面倒が出てきます。
だから今は、
ほどほどの資産を持ちながら、人生を楽しむ
ほうが魅力的です。
資産が減り続けるのは精神衛生上よくないので、できれば資産を少し増やしながら取り崩したい。
でも、死ぬまでに資産を最大化することが目的でもない。
このバランスが、今の私にとってのFIREです。
FIREに必要な金額を決める前に、まず家計簿をつけよう
ここまで「何千万円必要」という数字をたくさん出してきました。
でも、本当に最初にやるべきことは、投資を始めることでも、FIRE計算をすることでもありません。
自分が年間いくら使っているのかを知ることです。
私自身、10年以上家計簿を続けてきました。
そのおかげで、
「このくらいあれば生活できる」
「この支出は必要」
「ここは削っても満足度が変わらない」
という感覚が少しずつ身につきました。
FIREに必要な資産を考えるためには、
自分の人生に必要なお金を知ること。
これがスタート地点だと思います。
金融庁も、資産形成の基本として家計管理とライフプランニングを挙げ、収入・支出を把握したうえで、将来の生活設計を考えることを勧めています。
まとめ|「いくらあればFIREできる?」の答えは、自分の生活費で決まる
FIREに必要な資産額に、万人共通の正解はありません。
年間300万円なら、4%という単純な計算では7,500万円。
年間400万円なら1億円。
年間500万円なら1億2,500万円。
年間600万円なら1億5,000万円です。
ただし、4%は絶対的な安全率ではありません。
より保守的に3.5%や3%で考えれば、必要資産はさらに増えます。
だからこそ、
「FIREするには1億円必要」
ではなく、
「自分は年間いくら必要なのか?」
から考えることが大切です。
私の場合は、
年間600万円程度で余裕を持って暮らす
ことを一つの基準にし、
50歳で1億5,000万円
を目標にしています。
そこに、
- ブログ収入
- 配当
- ボランティアやアルバイト
- 将来の年金
などを組み合わせる。
そして、資産をただ取り崩していくのではなく、できれば少しずつ維持・成長させながら使っていく。
これが現在考えているFIREの形です。
FIREは「何億円持っているか」を競うものではありません。
「自分はいくらあれば、どんな人生を選べるのか」を考えること。
その答えが見えてくれば、FIREは単なる夢ではなく、具体的な人生設計に変わっていくのだと思います。
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