FIREを目指して資産形成をしていると、どうしても「いくら貯めれば仕事を辞められるか」に目が向きます。
でも、実際にFIREが近づいてくると、別の疑問が出てきます。
「仕事を辞めた後、その資産をどう使えばいいの?」
1億円、1億5,000万円といった大きな資産を作ったとしても、そこから毎年生活費を取り崩していけば、当然ながら資産は減っていきます。
相場が下落したときに取り崩しても大丈夫なのか。
毎年同じ金額を使えばいいのか。
何%までなら使っていいのか。
資産を残しすぎるのも、それはそれでもったいない。
私自身、現在41歳で世帯資産は5,000万円を超え、50歳で1億5,000万円程度の資産を作ることを一つの目標にしています。
FIRE後は年間600万円程度で、余裕を持って生活したいと考えています。
そこで今回は、FIRE後の資産取り崩しをどう考えるのか、そして私自身ならどのように資産を使っていきたいのかを考えてみます。
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FIREを目指すようになった理由や、年収250万円だった頃から現在までの資産形成についてはこちら。
FIRE後は「資産を増やす」から「資産を使う」に変わる
会社員として働いている間は、
収入 > 支出
にすることで、余ったお金を投資へ回します。
毎月積み立てる。
ボーナスから投資する。
配当を再投資する。
そうやって少しずつ資産を大きくしていきます。
ところがFIRE後は、その考え方が逆になります。
資産を使って生活する。
つまり、資産形成期とFIRE後では、お金との付き合い方そのものが変わります。
だから、
「資産をいくら作るか」
だけではなく、
「作った資産をどう取り崩すか」
まで考えておくことが重要です。
1億5,000万円なら、年間600万円を取り崩せる?
私の場合、50歳で1億5,000万円程度の資産を一つの目標にしています。
その理由の一つが、
年間600万円程度で生活したい
と考えているからです。
1億5,000万円の4%は、
600万円
です。
数字だけを見ると、
1億5,000万円 × 4% = 600万円
なので、「これなら生活できそう」と感じます。
ただし、ここで重要なのは、
4%取り崩せば資産が永遠になくならない、という意味ではない
ということです。
4%ルールは、過去の市場データを使って長期的な資産寿命を研究する中で有名になった考え方の一つです。
代表的な研究では30年程度の退職期間を想定した検討が行われてきましたが、50歳でFIREすると、その後の期間はさらに長くなる可能性があります。
そのため、私は4%を「安全な正解」ではなく、FIRE後の生活費を考えるための一つの目安として捉えています。
4%・3.5%・3%で必要資産を比較してみる
FIRE後の資産取り崩しを考えるなら、最初から一つの数字に決めつけないほうが分かりやすいでしょう。
年間生活費600万円の場合、
| 取り崩し率 | 必要資産 |
|---|---|
| 4% | 1億5,000万円 |
| 3.5% | 約1億7,140万円 |
| 3% | 2億円 |
となります。
同じ年間600万円の生活でも、どの程度の安全余裕を持つかによって必要資産は大きく変わります。
例えば、
4%
なら1億5,000万円。
3.5%
なら約1億7,100万円。
3%
なら2億円。
この差はかなり大きいです。
だからFIREを考えるときに、
「FIREには1億5,000万円必要」
と決めるより、
「自分はどの程度の余裕を持って暮らしたいのか」
を考えるほうが重要だと思っています。
50歳FIREなら「30年」より長い期間を考えたい
ここは50歳FIREを目指す私にとって、特に重要な部分です。
例えば50歳でFIREした場合、60歳まで10年しかありません。
年金を受け取り始める年齢によっても変わりますが、その後も生活は続きます。
90歳までなら40年間。
95歳までなら45年間。
100歳までなら50年間。
つまり、50歳でFIREするなら、資産を40年、50年と使う可能性があります。
Morningstarの2025年の研究でも、退職期間が30年から40年へ長くなると、安全余裕を考えた開始引き出し率は低くなっています。(morningstar.com)
だから、40代や50代でFIREを考える人ほど、
「4%ルールをそのまま当てはめればいい」と考えない
ことが重要だと思います。
本当に怖いのは「資産が減ること」だけではない
FIRE後に注意したいのが、
Sequence of Returns Risk(取り崩し開始時期の相場順序リスク)
です。
同じ平均リターンでも、
退職直後に大暴落が来るケースと、
最初に大きく上昇してから下落するケースでは、
資産の持ち方が大きく変わります。
例えば、
1億5,000万円の資産が30%下落すると、
1億500万円
です。
ここで年間600万円を取り崩し続けたら、資産への負担は大きくなります。
資産が減った状態で取り崩しを続け、その後の相場が低迷すれば、資産回復の余地も小さくなります。
だからFIRE後には、
「何%で取り崩すか」
だけでなく、
「相場が悪い年にどうするか」
まで考えておきたいところです。
私なら「毎年600万円を機械的に取り崩す」ことはしない
ここは今の自分がFIREをするとしたら、かなり重視したい部分です。
仮に年間600万円を使いたいとしても、
毎年必ず600万円を株式から売却する
とは考えていません。
市場が好調な年なら、予定通り使えばいい。
一方で、株式市場が大きく下落した年なら、
- 旅行を少し減らす
- 大きな買い物を先送りする
- 現金を使う
- ブログ収入を生活費に充てる
- アルバイトを少し増やす
など、支出や収入を柔軟に調整する。
こうした考え方です。
つまり、
「年間600万円」という金額を固定するのではなく、「平均して年間600万円程度」
くらいに考えています。
FIRE後も「収入ゼロ」にはならないと思う
私がFIRE後に完全な無収入になるとは考えていません。
まず、今育てているブログがあります。
FIREした後もブログを続けて、少しでも収入を得られれば理想です。
配当収入もあります。
さらに、
- 興味のあるアルバイト
- ボランティア
- 短時間の仕事
などもしてみたいと思っています。
会社員時代のように、
「生活のために働かなければならない」
という状態から離れ、
「やりたいから働く」
という働き方に変えたい。
年間100万円でも200万円でも収入があれば、その分だけ資産から取り崩す金額を減らせます。
例えば年間600万円必要でも、100万円の収入があれば、
600万円 − 100万円 = 500万円
の資産取り崩しで済みます。
この差は、長期間ではかなり大きいと思います。
年金が始まれば、資産からの取り崩しも減る
私の場合、60歳以降は年間300万円程度の年金を一つの想定として考えています。
仮に年間生活費600万円なら、
600万円 − 300万円 = 300万円
です。
つまり、年金受給開始後は、資産から年間600万円を取り崩す必要がなくなる可能性があります。
もちろん年金額は個人差がありますし、将来の制度変更もあり得ます。
ここでも大切なのは、
「資産だけで一生分の生活費を用意する」
という考え方ではなく、
「資産・労働収入・年金などを組み合わせて生活する」
ことです。
FIRE後は「資産を減らさない」より「資産寿命を伸ばす」
FIRE後に、
「絶対に元本を減らしたくない」
と考えてしまうと、必要以上にお金を使えなくなります。
でも、資産はそもそも人生のために作ったものです。
使うための資産なのだから、使うこと自体は悪いことではありません。
問題は、
どのくらいのペースで使うか
です。
例えば、
毎年一定額を機械的に使う
より、
相場・収入・年齢・生活状況に応じて使う
ほうが、資産寿命を伸ばしやすい可能性があります。
だから私は、
「資産を減らさない」ことではなく、「資産をできるだけ長く使える状態にする」
という考え方のほうが自分には合っています。
私が目指しているのは「少し増やしながら使う」FIRE
ここは、今の自分の考えをかなり正直に書いておきたいところです。
私は、
FIREしたら資産を使い切ってゼロにする
という計画ではありません。
むしろ、
「使いながらも、できれば資産全体は少しずつ増えていてほしい」
と考えています。
資産が年々減っていくのを見るのは、精神衛生上あまり良くないと思うからです。
もちろん、ずっと増え続ける必要はありません。
相場が悪い年には減って当然です。
でも、10年、20年という長い期間で見たときに、
使った分を運用収益や収入がある程度補い、資産が大きく毀損しない
という状態が理想です。
その意味では、
「FIRE後も資産形成の延長線上にいる」
くらいの感覚なのかもしれません。
ただし「増やすこと」が目的になったら本末転倒
ここには注意したいと思っています。
FIRE後も資産が増えていると安心します。
しかし、
「もっと増やしたい」
「減るのが怖い」
となると、今度はFIREした意味が薄れてしまいます。
例えば、
「旅行に行きたいけれど、資産が減るからやめておこう」
となったら、何のためにFIREしたのか分からなくなります。
私がやりたいのは、
資産を最大化することではなく、資産を使って自由に暮らすこと
です。
だから、
「これ以上は十分」
というラインも必要になります。
私のFIRE後の年間600万円は「贅沢」ではなく余裕代込み
私は年間600万円を、生活の最低ラインではなく、少し余裕を持った予算として考えています。
庭の手入れ。
DIY。
自炊。
ロードバイク。
図書館。
軽バンでのキャンプ。
妻との日本一周旅行。
こうした暮らしを楽しみたい。
高級品を次々に買う生活ではありませんが、旅行や車などにはそれなりにお金がかかります。
だから、
「ギリギリ600万円」ではなく、「600万円あればかなり楽しめる」
くらいの感覚です。
ここも、実際にFIREした後には家計簿をつけながら調整していくつもりです。
10年以上続けてきた家計簿が、FIRE後にも役立つ
私が資産形成で「やってよかった」と感じていることの一つが、10年以上家計簿を続けてきたことです。
家計簿があると、
「毎年どれくらい使っているのか」
「どこにお金を使っているのか」
が分かります。
これはFIRE後にも重要だと思っています。
資産取り崩しを始めたら、
**「予定より使っているのか?」
「どの支出なら削っても満足度が変わらないのか?」
を確認できます。
つまり、家計簿は資産形成のためだけではなく、
FIRE後の資産寿命を管理するためのツール
にもなります。
FIRE後こそ「お金の使い方」を考えたい
資産形成期には、
「いくら貯めるか」
「どれくらい投資するか」
を考えます。
FIRE後には、
「何に使うか」
を考える必要があります。
私の場合は、
- 妻との旅行
- 子どもたちとの時間
- DIY
- 庭
- ロードバイク
- キャンプ
- 読書
- 自炊
などです。
これらの多くは、必ずしも大金が必要なものではありません。
だからこそ、
生活費を抑えながら、満足度の高い生活を送る
ことができるのだと思います。
これは、FIREを目指すうえでかなり大きな武器です。
「使うお金」と「残すお金」をどう考えるか
私は将来的に、相続のことまで考えると、
「できるだけ多く資産を残そう」
とも考えていません。
お金が多すぎると、相続税など別の問題も出てきます。
だったら、
自分たちの人生で使えるお金は、きちんと使う。
そのうえで、最後まで必要な分を残せばいい。
という考え方です。
資産形成をしていると、「資産を増やすこと」がゲームのようになってしまうことがあります。
1億円。
2億円。
3億円。
数字は増えれば増えるほど嬉しい。
でも、それが人生の目的になってしまってはいけない。
私自身、若い頃は「60歳で30億円」という目標をノートに書いていました。
今では、
「そこまで必要ないだろう」
と思っています。
人生の途中で、価値観も変わります。
だからこそ、FIREの資産設計も、そのときの自分に合わせてアップデートしていくつもりです。
FIRE後の取り崩しに「正解」はない
ここまでいろいろと数字を出してきましたが、FIRE後の資産取り崩しに万人共通の正解はありません。
市場環境。
インフレ。
寿命。
年金。
副収入。
生活費。
家族構成。
これらによって大きく変わります。
だから、
「4%なら大丈夫」
と考えて思考停止するのではなく、
「自分なら、どの程度の余裕を持てば安心できるか」
を考えることが大切です。
そして、資産の状況が悪い年には支出を少し抑え、好調な年には余裕を持って使う。
そうした柔軟性も、FIRE後には必要だと思っています。
私が50歳で目指しているFIREの形
ここまでの話をまとめると、私が目指しているのは、
50歳で1億5,000万円程度の資産
を一つの目標とし、
年間600万円程度で余裕を持って生活する
というスタイルです。
その生活費を、
- 株式資産からの取り崩し
- 配当
- ブログ収入
- 興味のあるアルバイト
- ボランティアなどからの小さな収入
- 将来の年金
で組み合わせる。
そして、
「資産を使うけれど、できれば長期的には大きく減らさない」
ことを目指します。
これは、一般的な「完全FIRE」とは少し違うかもしれません。
でも、私にとっては、
「働かないこと」より「働き方を自分で選べること」
のほうが重要です。
まとめ|FIREしたら、資産を「使う」ことも資産形成の一部になる
FIRE後に重要なのは、
いくら資産があるか
だけではありません。
その資産をどう使うか
です。
年間600万円必要なら、4%という単純な計算では1億5,000万円。
3.5%なら約1億7,100万円。
3%なら2億円。
この違いを見るだけでも、FIREに必要な資産額は一つではないことが分かります。
さらに、50歳からFIREするなら、その後40年、50年と資産を使う可能性があります。
だから私は、
4%を絶対的な正解にしない。
資産だけに頼らず、ブログや配当などの収入も組み合わせる。
相場が悪い年には柔軟に支出を調整する。
長い目で見て、資産寿命を伸ばす。
という考え方をしています。
そして何より、
資産を増やすことを目的にしすぎない。
FIREのために何十年も節約して、FIREした後も「資産が減るのが怖い」と何も使わないのであれば、本末転倒です。
私が欲しいのは、何十億円もの資産ではありません。
庭の手入れをする。
料理をする。
ロードバイクに乗る。
図書館で一日過ごす。
軽バンでキャンプをしながら旅する。
妻と日本一周する。
そして、家族と一緒に過ごす。
そんな生活を、お金を理由に我慢しなくていい状態を作りたい。
そのために資産を作ってきました。
だからFIRE後は、
「資産を守る」だけでもなく、
「資産を使い切る」だけでもなく、
「資産を使いながら、人生を楽しむ」。
これが私にとっての資産取り崩しです。
お金は、増やすためだけにあるのではない。
使ってこそ、人生の選択肢を増やしてくれる。
そんなFIREを目指して、これからも資産形成を続けていきたいと思います。
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FIREを目指すようになったきっかけ
→ 40代からFIREを目指す|年収250万円だった私が世帯資産5,000万円、50歳1億5,000万円を目指すまで
FIREに必要な資産はいくら?
→ FIREに必要な資産はいくら?年間生活費300万・400万・500万・600万円で考えてみた
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→ コーストFIREとは?年齢別の必要資産をシミュレーションしながら考える「今」と「将来」のお金


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