2025年1月、NISA口座で積立設定していた投資信託に異変が起きました。
私が保有していた、
「PayPay投信 NASDAQ100インデックス」
です。
いつものように積立されると思っていたのに、買付が予定どおり行われていませんでした。
証券口座を確認すると、
「買付」ボタンが押せない。
調べてみると、運用会社であるPayPayアセットマネジメントが事業終了を予定しており、この投資信託も繰上償還へ向かっていることが分かりました。
その後、このファンドは実際に2025年6月16日付で繰上償還されました。
私はそれまで、
「NISAで長期保有するなら、信託報酬が安いインデックスファンドを選べばいい」
くらいに考えていました。
でも今回の経験で、
投資信託には途中でなくなるリスクもある
ことを実感しました。
この記事では、実際に保有していた投資信託が繰上償還された経験から、
- 繰上償還とは何か
- NISAで繰上償還されるとどうなるのか
- NISAの非課税枠はどうなるのか
- 償還前に売るべきなのか
- 長期投資では何を見てファンドを選ぶべきか
を整理します。
※この記事は私自身の投資体験をもとにした一般的な情報です。特定の商品への投資を推奨するものではありません。
繰上償還とは?
投資信託には、あらかじめ「信託期間」が設定されています。
無期限の商品もあれば、一定の償還日が設定されている商品もあります。
ただし、無期限の商品でも、
- 純資産総額が減少した
- 運用会社が事業を終了する
- 運用の継続が難しくなった
などの理由によって、予定より早く運用を終了することがあります。
これが繰上償還です。
今回私が保有していた「PayPay投信 NASDAQ100インデックス」も、当初は信託期間が無期限でした。
しかし、運用会社であるPayPayアセットマネジメントが2025年9月末をめどに事業を終了すると発表。
それに伴い、ファンドについても繰上償還の手続きが進められました。
最初の異変は「積立されていない」だった
私が異変に気づいたきっかけは、積立設定していたはずの投資信託が買い付けられていなかったことです。
SBI証券の保有ファンド画面を見ると、
買付ボタンが押せなくなっていました。
そこで調べ始めて、ファンドの新規募集停止と運用会社の事業終了予定を知りました。
長期投資では、
「積立設定したらあとは放置」
になりがちです。
私自身もかなり放置するタイプです。
ただ、今回の経験から、
少なくとも年に何度かは保有商品の状態を確認した方がいい
と感じました。
積立停止、償還予定、運用会社からのお知らせなどは、完全放置では気づかないことがあります。
その後、本当に2025年6月16日に繰上償還された
2025年1月にこの記事を書いた時点では、まだ「繰上償還予定」でした。
その後、手続きが進み、
PayPay投信 NASDAQ100インデックスは2025年6月16日に実際に繰上償還されました。
公式の運用報告書にも、2025年6月16日をもって償還したことが記載されています。
つまり、私が感じていた、
「本当にファンドがなくなるのかな?」
という段階から、
実際に運用終了まで経験した
ことになります。
NISAで長期投資するつもりだった商品が、こちらの意思とは関係なく途中で現金化される。
これはなかなかない経験でした。
繰上償還されたら、お金はどうなる?
投資信託が繰上償還されたからといって、保有資産がなくなるわけではありません。
ファンドの資産を整理し、償還時の基準価額などに基づいて、保有者へ償還金が支払われます。
今回のファンドも、繰上償還に向けて保有資産を売却し、運用を終了しました。
ただし、
「NASDAQ100をずっと持っていたかったのに、途中で現金になってしまう」
という問題は残ります。
長期運用を続けたいなら、償還金で別の商品を改めて購入する必要があります。
NISAで繰上償還されたら税金はどうなる?
NISA口座内で得た売却益や分配金などは、制度上非課税です。
そのため、NISA口座内で投資信託が償還され、利益が出ていた場合でも、その利益は基本的に非課税となります。
一方、損失が出た場合には注意点があります。
NISA口座内の損失は、
- 特定口座などの利益との損益通算
- 翌年以降への損失の繰越控除
ができません。
これは今もNISAの特徴の一つです。
NISAは利益が非課税になる代わりに、
損失を税務上なかったものとして扱う
制度ともいえます。
繰上償還されたらNISAの枠は戻る?
ここはかなり大事です。
2024年からのNISAでは、生涯の非課税保有限度額が1,800万円あります。
商品を売却した場合、その商品の取得額(簿価)分について、翌年以降に非課税保有限度額を再利用できます。
例えば、
100万円で購入した投資信託が120万円になって売却された場合、
翌年以降に復活するのは120万円ではなく、
購入時の100万円分
です。
繰上償還の場合も、保有商品がなくなれば同様に非課税保有限度額の空きが生じます。
ただし注意点があります。
その年の年間投資枠が増えるわけではありません。
例えば年間360万円の投資枠をすでに使い切っていた場合、
途中で100万円分が償還されたからといって、
その年にさらに100万円買えるわけではありません。
復活するのは翌年以降の非課税保有限度額です。
元の記事では、
「繰上償還されるとNISA枠が失われて最短5年で1,800万円に到達できなくなる」
という書き方をしていました。
これは少し修正が必要です。
より正確には、
その年の年間投資枠は復活しないため、予定していた投資ペースが崩れる可能性はある。しかし生涯の非課税保有限度額は翌年以降再利用できる
という整理になります。
償還まで待つか、先に売るか
繰上償還が発表されたとき、私も迷いました。
選択肢は大きく、
- 償還までそのまま保有する
- 償還前に一括売却する
- 数回に分けて売却する
の3つです。
当時の私は、
「何回かに分けて売却しようかな」
と考えていました。
ただ、今振り返ると、
分けて売れば有利になるとは限りません。
相場が上がるか下がるかは分からないからです。
一括売却でも分割売却でも、将来の値動きを事前に当てることはできません。
そのため、今なら、
「そのファンドをこのまま償還まで持ちたいか」
「別の商品へ早く乗り換えたいか」
という、自分の運用方針で決めます。
償還が決まったファンドを持ち続けるデメリット
今回の運用報告書を読むと、繰上償還へ向けて保有資産のポジションを解消したことが、ベンチマークとの差の一因になったとされています。
ここは今回かなり勉強になったところです。
インデックスファンドだから、
「最後まで指数にきれいに連動してくれる」
とは限りません。
運用終了に向けて資産を現金化していけば、当然、通常の運用とは違う状態になります。
そのため、繰上償還が正式に決まったあとも、
「償還日まで長く運用できる方がお得」
と単純には言えません。
元の記事では、償還まで持つメリットとして「運用期間が長くとれる」と書いていましたが、ここも削除します。
SBI証券では現在NISAでも定期売却できる
元の記事を書いた2025年1月当時、SBI証券ではNISA預かりの投資信託は定期売却サービスの対象外でした。
そのため、
「手動で何回かに分けて売却する」
と書いていました。
しかし、ここも現在は変わっています。
SBI証券は2025年12月から、NISA口座で保有する投資信託についても定期売却サービスを利用できるようにしました。
2026年現在は、
- 定額
- 定率
- 期間指定
による定期売却に対応しています。
つまり、
「SBI証券のNISAは定期売却できない」
という元記事の情報は現在は古くなっています。
今回のリライトで削除します。
長期投資なら「信託報酬が安い」だけでは足りなかった
私がこのファンドを選んだ理由の一つは、信託報酬の低さでした。
NASDAQ100へ投資できて、コストも低い。
長期運用には良さそうだと思っていました。
でも今回、
コストが安いことと、長く存続することは別問題
だと学びました。
長期間保有する投資信託を選ぶなら、
- 純資産総額
- 資金流入が続いているか
- 運用会社
- 信託期間
- 同じ指数に連動する競合商品の規模
なども確認した方がよさそうです。
だからといって、
「純資産○億円以下なら絶対ダメ」
のような基準を作るつもりはありません。
今回の繰上償還は運用会社の事業終了が大きな要因であり、単純に純資産額だけで予測できるものではなかったからです。
オルカンなど大型ファンドを選ぶ理由が一つ増えた
私は以前より、個別株もインデックス投資もやってきました。
最近はインデックス中心でもいいかな、と考えることが増えています。
今回の経験をすると、
人気のある大型インデックスファンドを選ぶメリットは、手数料や運用成績だけではない
と感じます。
多くの資金が集まり、長期間運用される可能性が高いこと自体が、長期投資では安心材料になります。
もちろん、大型ファンドだから絶対に償還されないわけではありません。
それでも、
NISAで20年、30年と持つつもりなら、
「できるだけ途中でなくならない商品を選ぶ」
という視点は、以前より重視するようになりました。
今回の繰上償還で学んだこと
今回、一番大きかったのは、
NISAは長期制度でも、中に入れる商品まで永久に続くわけではない
と実感できたことです。
NISAそのものは長期運用に適した制度です。
でも、そこで選んだ投資信託が途中で終了する可能性はあります。
だから、
一度買ったら完全放置ではなく、
たまに、
「ちゃんと積立されているかな」
「純資産はどうなっているかな」
「運用会社からお知らせは出ていないかな」
くらいは確認しておく。
その程度で十分だと思います。
毎日基準価額を見る必要はありません(笑)。
まとめ|繰上償還は失敗ではない。でも商品選びの基準は変わった
私はNISA口座で「PayPay投信 NASDAQ100インデックス」を積み立てていました。
2025年に繰上償還予定となり、その後実際に2025年6月16日に償還されました。
この経験から学んだのは、
長期投資では、信託報酬の安さだけで投資信託を選ばない方がいい
ということです。
また、NISAで繰上償還されても、
- 利益はNISAなら基本的に非課税
- 損失は損益通算・繰越控除できない
- 取得額分の非課税保有限度額は翌年以降再利用できる
- その年の年間投資枠は復活しない
という点も押さえておきたいところです。
投資信託を選ぶときは、
「何に投資するか」だけでなく、「その商品が長く続きそうか」も見る。
今回の繰上償還は、私にとってそれを実感するいい経験になりました。


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