投資信託・個別株・ETFをどう組み合わせる?|コアとサテライトで考える資産配分
投資信託で積立投資を始めたけれど、個別株やETFにも興味がある。
でも、何をどれくらい持てばいいのか分からない。
そんなときに役立つのが、「コア・サテライト戦略」です。
資産形成の土台となる運用を「コア」、自分なりにリスクを取る部分を「サテライト」に分けて考えます。
例えば、全世界株式のインデックスファンドをコアにして、個別株をサテライトとして保有する方法です。
ただし、私は最初からこの戦略を実践してきたわけではありません。
投資歴17年。長年、個別株を中心に投資してきました。
現在はインデックス投資を土台とする方針へ移行していますが、2026年10月時点でも運用資産の約66%が国内個別株です。
今回は、コア・サテライト戦略の基本から、投資信託・個別株・ETFの組み合わせ方、そして私自身の資産配分と考え方を紹介します。
コア・サテライト戦略とは?役割を分けて投資する方法
コア・サテライト戦略とは、運用する資産を2つの役割に分ける考え方です。
| 分類 | 役割 | 商品の例 |
|---|---|---|
| コア | 資産形成の土台。長期・分散投資を重視する | 全世界株式インデックスファンド、広く分散されたETFなど |
| サテライト | 特定の企業や市場に投資し、追加的なリターンや学びを求める | 個別株、特定の国・業種に集中する投資信託やETFなど |
例えば、投資資産の80%をコア、20%をサテライトにする方法があります。
コアで世界中の企業に幅広く投資しながら、サテライトで自分が成長を期待する企業の株を保有するイメージです。
ただし、80対20は一つの例であって、誰にでも適した正解ではありません。
また、コアが全世界株式でも、株式市場全体が下落すれば大きく値下がりする可能性があります。
コアだから元本割れしない、という意味ではありません。
大切なのは、投資先がどの程度分散されていて、どんなリスクを取っているのかを理解することです。
投資信託・個別株・ETFはどう組み合わせる?
最初に知っておきたいのは、投資信託・個別株・ETFという商品名だけで、コアとサテライトが決まるわけではないことです。
ETFは、証券取引所で売買できる投資信託の一種です。
投資信託にもETFにも、幅広く分散された商品と、特定の国や業種に集中した商品があります。
| 商品例 | 主な投資対象 | 役割の例 |
|---|---|---|
| オルカン | 日本を含む世界各国の株式 | コア |
| S&P500連動ファンド | 米国の主要企業 | 米国株中心のコア |
| VT | 世界各国の株式 | コア |
| VTI | 米国株式市場全体 | 米国株中心のコア |
| NASDAQ100連動ファンド | 米国の大型非金融企業を中心とする指数 | サテライトにもなる |
| インド株ファンド | インド株式 | サテライト |
| 国内個別株 | 特定の企業 | サテライト |
| TLT | 残存期間20年超の米国国債 | 債券の役割を考えて分類 |
※ここでの分類は一例です。何をコアにするかは投資方針によって異なります。
例えば、オルカンとVTは、どちらも世界中の株式へ広く分散投資する商品です。
両方を保有しても、投資先の重複が大きいため、必ずしも分散効果が大きく高まるわけではありません。
同じように、オルカンとS&P500を組み合わせれば、結果として米国株への比重を高めることになります。
保有商品が増えれば分散できる、というわけではないのです。
初心者なら投資信託1本でも十分
私は、初心者が無理に個別株やETFを組み合わせる必要はないと思っています。
例えば、低コストの全世界株式インデックスファンドを積み立てるだけでも、世界中の企業に幅広く投資できます。
もちろん、それでも株式市場の下落リスクはあります。
まずは自分が理解できる商品で、長く続けられる仕組みを作る。
個別株に興味が出てきたら、その時点でサテライトを考えても遅くありません。
コアとサテライトの比率は何%がいい?
コア・サテライト戦略に、全員共通の正解となる比率はありません。
考え方の例を挙げると、次のようになります。
| 配分例 | コア | サテライト | 考え方 |
|---|---|---|---|
| コアを重視 | 90% | 10% | 分散投資を中心に、個別株などを少額で試す |
| バランス型 | 80% | 20% | コアを土台に、自分の投資判断も取り入れる |
| サテライト多め | 70% | 30% | 個別株などの値動きが全体へ与える影響を大きく許容する |
※配分の具体例であり、推奨比率ではありません。預金や生活防衛資金を除いた投資資産内の配分を想定しています。
私なら、初めて個別株に取り組む人には、まず少額から試すことをすすめます。
最初から大きな金額を投じなくても、企業の決算を調べ、株価の変化を見守る経験はできます。
また、サテライトの割合だけでなく、1銘柄にどれくらい集中しているかも重要です。
同じサテライト20%でも、20銘柄に分散している場合と、1銘柄だけで20%を占める場合ではリスクが違います。
私の資産配分は個別株66%。まだ移行期にいる

ここからは、私自身の例です。
2026年10月6日時点の証券口座の評価額を、商品別に整理しました。
| 商品区分 | 評価額 | 構成比 |
|---|---|---|
| 国内個別株 | 約2,790万円 | 66.4% |
| 海外ETF | 約668万円 | 15.9% |
| 投資信託 | 約742万円 | 17.7% |
| 合計 | 約4,200万円 | 100% |
※2026年10月6日時点。現金約15万円、企業型DC、転換社債(CB)、家族名義の資産は含めていません。比率は現金を除く投資資産を分母に計算しています。評価額・構成比は概算です。
こうして見ると、個別株が圧倒的に多いですね。
ただし、これは商品別の比率であって、コアとサテライトの比率ではありません。
海外ETFにはVTやVTIのような広く分散された商品も含まれています。
私の現在の方針は、インデックス投資をコアに置き、個別株などをサテライトとして保有することです。
それなのに、なぜ個別株がこんなに多いのか。
理由は2つあります。
17年間の個別株中心の運用から移行している途中
私は投資を始めてから長い間、個別株を中心に運用してきました。
企業の事業内容や業績を調べ、成長を期待して株を買う。
その企業が本当に成長していく姿を見るのが好きでした。
中には10年以上保有している銘柄もあります。
その結果、株価が大きく上昇した銘柄もあり、個別株の割合が高くなりました。
一方、最近はインデックス投資の合理性を以前より強く感じています。
そのため、現在は積立投資を続けながら、少しずつコアを育てる方向へ移行しています。
つまり、コア・サテライト戦略を採用しているものの、資産配分はまだ移行途中なのです。
比率を整えるためだけに、個別株を売りたくない
もう一つの理由は、無理にリバランスしたくないからです。
リバランスとは、資産配分が目標からずれたときに、売買や追加投資で元の配分に近づけることです。
例えば、個別株が大きく値上がりした場合、一部を売却してインデックスファンドを購入すれば、コアの比率を高められます。
でも、私は単に比率を整えるためだけに、長年保有してきた株を売りたいとは思いません。
これからも成長を期待している企業がありますし、企業を選んで投資する楽しさも大切にしたいからです。
ただし、売らないことが常に正しいとも考えていません。
個別株の保有理由が崩れたり、資産全体に対する集中リスクが大きくなりすぎたりした場合には、売却を検討する必要があります。
私の場合、値上がりによって1銘柄が運用資産の大きな割合を占める状態も経験しています。
いくら期待する企業でも、1社に大きく依存するリスクは無視できません。
そのため現在は、毎月の積立などでコアを育てながら、個別株の売却は保有理由やリスクを確認して判断する方針です。
追加投資だけでは比率の調整が追いつかない場合もあります。
だからこそ、比率を放置するのではなく、定期的に確認していきたいと思っています。
インデックスに負けた10年間。それでも個別株を続ける理由
私がインデックス投資を重視するようになった背景には、自分自身の投資成績もあります。
以前、2016年9月末から2026年9月末までの10年間について、実際の入出金記録を使って比較しました。
もし同じお金を外国株式のインデックスファンドに投資していたら、どうなっていたのか。
結果は、仮想のインデックス運用の方が約2,100万〜2,200万円上回っていました。
もちろん、これは私自身の実績と一定の条件で計算した仮想運用の比較です。
個別株投資をすれば必ずインデックスに負ける、という意味ではありません。
ただ、17年間個別株を中心に投資してきた私にとって、改めて考えるきっかけになりました。
資産を合理的に増やすことと、企業を選んで投資する楽しさは、分けて考えてもいい。
今はそう思っています。
コアとなるインデックス投資を育てながら、個別株を選ぶ楽しさも残す。
私が目指しているのは、そんな資産配分です。
関連記事:個別株はインデックスに勝てない?実際の入出金で10年間を比較した結果
個別株をサテライトで持つなら、買う前にルールを決める
個別株に投資するなら、どの企業を買うかだけでなく、どんなときに見直すかも考えておきたいです。
私が特に重要だと思うのは、次の4点です。
- 投資する理由:なぜその企業が成長すると考えるのか
- 保有する割合:資産全体の何%までなら許容できるのか
- 見直す条件:業績や事業環境がどう変わったら判断を変えるのか
- 売却する条件:目標株価や集中リスクをどう考えるのか
私は過去に、売却の判断が遅れたと感じる銘柄もありました。
買うときは成長する理由を一生懸命考えるのに、売るときの判断は意外と難しいものです。
だからこそ、買う前に投資理由と想定が崩れる条件を整理しておくことが役立ちます。
具体的な確認項目は、別記事で1枚のシートにまとめています。
関連記事:個別株を買う前に書く1枚|投資理由・成長要因・想定が崩れる条件
まとめ|大切なのは理想の比率より、資産の役割を理解すること
投資信託・個別株・ETFを組み合わせるときは、商品名ではなく、その資産が何の役割を持つのかで考えることが大切です。
広く分散されたインデックスファンドやETFをコアに置き、個別株などをサテライトにするのが一つの方法です。
ただし、無理に複数の商品を持つ必要はありません。
初心者なら、分散された投資信託1本から始めてもいいと思います。
私自身は、17年間の個別株中心の運用から、インデックス投資を土台とする方針へ移行している途中です。
今も個別株の割合は大きいですが、無理に売却して理想の比率に合わせようとは考えていません。
一方で、集中リスクを放置していいとも思っていません。
資産の役割を理解し、リスクを確認しながら、少しずつ自分に合う配分を作っていく。
コア・サテライト戦略は、そのための考え方だと思っています。
投資で資産を増やすことは大切です。
でも、私にとって資産形成は、将来の自由を増やしながら今の人生も楽しむためのものです。
だからこそ、自分が納得して続けられる投資の形を大切にしたいと思っています。


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